概要:電子回路シミュレータSpiceは1973年に公開された電子回路向けの無料のソルバーです。
スカラー型の節点法で、有限要素法のような積分作業を行いませんのでアルゴリズムが非常にストレートです。
●有限要素法は難しそう(難しくて)…と思われている方へ
まずはアルゴリズムが素直な節点法で数値解析がどのように行われているかを勉強されてはいかがでしょうか?
非線形解析、動解析についても説明しますので将来の有限要素法での解析イメージも掴めます。
●熱設計の皆様へ
Spiceの応用例としてSpiceの内蔵要素だけで実現する熱抵抗回路網法を紹介します。2抵抗モデルや多抵抗モデルの簡単な立方体モデルの自然対流解析ですが有限体積法を補完する手法として勉強してください。
●電気設計者の皆様へ
冒頭で述べたように1973年からリリースされて使われているのですが、実際のトラブルは開発モデルに依存しているケースが多いので、古くから使われている割には、ユーザー会のような活動は行われておらず、ノウハウは個人的なものに収まっているようです。
一方で、頼みのサポートはソフトには詳しいかもしれませんが、トラブルを起こす回路は千差万別なので、みなさんはサポートの意見を基に試行錯誤を繰り返しているのが実態ではないでしょうか?
※このコースでは『CAEを設計にどう活用するか?』を考えながら、Spiceの原理や、トラブルの対処の仕方、Spiceで出来ること、使い方を中心に説明します。動作原理を知り、その内部動作を考慮することができればSpice解析に限らず、有限要素法のエラーメッセージの読み方、トラブル対処の仕方の一助になると考えます。
原理を理解するため、演習ソフトとは別に、表計算ソフト(Excel、等)を用いて計算を行いますが、計算規模は3×3以下のマトリックスに限定し、容易に理解できるようにしています。
|